Gitは開発の世界では欠かせないツールですが、「Git」や「バージョン管理」という言葉を聞き慣れない方もいるかもしれません。
この記事では、開発において重要な役割を果たしているGitとバージョン管理について、わかりやすくご紹介します。
そもそも「Git」ってなに?
簡単に言うと、Gitは「ソースコード(プログラムの設計図)」の「バージョン管理」を行うための、世界中で最も使われているシステムのことです。
バージョン管理とは
バージョン管理とは、ファイルやデータに対して行われた変更の履歴を、全て記録・保存しておくことです。
書類の作成時に色々な修正を重ねていくと、どれが最新のファイルなのか、どの変更で何を修正したのかがわからなくなってしまうことがありますよね。
バージョン管理は、この「いつ、誰が、何を」変更したかという情報を、タイムカプセルのように記録し続ける仕組みです。
「Git管理」のメリット
Gitを用いたソースコードのバージョン管理は、開発における安心感と効率を高める多くのメリットがあります。この記事では、この取り組みを「Git管理」と呼びます。
1. 過去の変更履歴がすべてわかる
Gitには、ソースコードの変更内容と、その変更についてのコメントがすべて記録されています。これにより、過去にどのような修正や機能追加があったかが、明確にわかります。
2. 複数人での作業がスムーズ
複数の開発者が同時に作業を進める際も、Gitが情報共有を自動的かつスムーズに行ってくれます。これにより、他の人の作業を邪魔することなく、チームでの開発が円滑に進みます。
3. 大切な記録は基本的に上書きされない
一度Gitに記録した履歴は、基本的に上書きされたり消えたりしません。たとえ10年前に書かれたソースコードや、その時の変更内容であっても、いつでも確認したり、復元したりすることができます。
4. 万が一の不具合にも即座に対応
Gitは変更を全て記録しているため、もし開発中に不具合が発生したとしても、不具合が発生する直前の安定したソースコードに即座に戻すことができます。これにより、お客さまへの影響を最小限に抑え、迅速な修正が可能です。
Git管理と合わせて実施される、品質向上のための仕組み
Git管理されているソースコードに対しては、静的解析やCI/CD(継続的インテグレーション・継続的デリバリー)といった仕組みを合わせて導入することが一般的です。
これらは、ソースコードの品質を自動的にチェックし、開発から公開までをスムーズにするための重要な仕組みです。
開発を加速させるGit管理の応用
Git管理は、ソースコードだけでなく、開発者が自分のPCで作業をするための設定ファイルなどにも応用できます。
- 例: ローカル開発環境をすぐに立ち上げるための設定情報
- .wp-env.jsonやdocker-compose.ymlなど
開発に役立つこれらの設定ファイルをGit管理することで、新しい開発者がプロジェクトに参加した際にはすぐに開発環境を構築できるため、開発スピードの向上に役立ちます。
WordPressテーマ・プラグインのGit管理の利点
WordPressのテーマやプラグインについても、Git管理することによって得られる多くの利点があります。
特に、WordPressのテーマやプラグインと合わせて前述の設定ファイルをGit管理することには、非常に大きな利点があります。
これらのファイルを一元管理することで、開発者は自分のPCにプロジェクトのWordPress環境をすぐに、かつ手間なく立ち上げることができ、即座に開発を始めることが可能です。さらに、Git管理の全てのメリット(履歴の明確化、不具合発生時の迅速な復旧など)を享受できるため、高品質で安定したWordPress関連の開発を実現することができます。
Git管理は、単なるツールの利用にとどまらず、安心で高品質な開発を支える基盤の1つとなります。
Maintic WPプラットフォームでは、コード品質の維持、安定した継続開発、快適なコードデプロイメントを実現する仕組みをサポートしています。
